自己不信(じこふしん)

ジュリアンは、自分が去るという決断が正しかったのか、頻繁に悩んでいた。夜遅くになると、部屋の中を行ったり来たりしながら、過去のあらゆる瞬間を何度も繰り返し考えていた。他に納得のいく説明は見当たらないのに、何かがしっくりこない気がしていた。

疑念が湧き上がってくると、彼はすぐにそれを打ち消し、「必要なことをしたんだ」と自分に言い聞かせた。「他に説明のしようがなかったんだ」と、彼は必死に自分の決断に慰めを見出そうとしながら、そう呟いた。

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