中へどうぞ、という身振り

ニュースキャスターは何も言わず、代わりにカーターに中に入るよう促した。その身振りにはどこか安心させるようなところがあったが、同時に彼の胃のむかつきをさらに強めた。

それはまるで未知の世界へ飛び込むための招待状のように感じられた。好奇心が彼を前へ駆り立てるが、心のどこかでは底で何を見つけるかを恐れていた。不安にもかかわらず、カーターはもう後戻りできないことを知っていた。

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